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新版 有機概念図―基礎と応用

978-4-7827-0587-2 C3043 /2008年11月刊行
甲田善生・佐藤四郎・本間善夫 共著
A5・上製・304頁/定価 4,400円(本体4,000円)
「有機概念図」とは,故 藤田穆先生(元熊本大学薬学部長)が昭和5年に著書の中で提案された有機化合物の性状の概要を把握するための画期的な方法である。
主として炭素数に基づく有機性(共有結合性)と,置換基の性質,傾向に基づく無機性(イオン結合性)に分け,有機化合物を有機軸と無基軸と名づけた直交座標上の1点ずつに位置させて,その性質の概要を理解させようとしたものである。
目次(詳細)

1. 有機概念図の基礎
 1.1 有機概念図成立の基礎
 1.2 有機化合物の法則性の由来とグラフ化の基礎
 1.3 有機化合物の性状のグラフ化
  1.3.1 有機性の数値
  1.3.2 無機性の数値
  1.3.3 環状化合物の無機性の数値
  1.3.4 表にない無機性基の数値の求め方
 1.4 有機概念図
  1.4.1 有機化合物のグラフ
  1.4.2 グラフ化の例
  1.4.3 概念図上の分布状況
 1.5 有機化合物間の近縁関係と概念図
  1.5.1 化学構造の近縁関係
  1.5.2 有機,無機両性の比率近似の関係
  1.5.3 両近縁関係の累加性
 1.6 有機化合物の性状と概念図

2. 基礎的な応用
 2.1 概念図による有機化合物の予測
  2.1.1 性状既知で構造未知の場合
  2.1.2 構造既知で性状未知の場合
 2.2 有機溶剤の系統化と概念図
  2.2.1 概念図上の位置と溶解性
  2.2.2 各溶剤の溶解性分野
  2.2.3 溶剤の軽重
  2.2.4 溶解が溶質に及ぼす影響
  2.2.5 分離用溶剤の選択
  2.2.6 再結晶(精製用)溶剤の選択
 2.3 混合溶剤の溶解性
  2.3.1 混合溶剤の座標の求め方
  2.3.2 最良混合比
  2.3.3 精製用混合溶剤の使い方
 2.4 新溶剤の案出
 2.5 溶解性別による物質の大区分
 2.6 混合有機化合物の系統分離体系
  2.6.1 半化学的分離法の例
  2.6.2 精細分離法の例
 2.7 クロマトグラフィーへの応用
  2.7.1 ろ紙クロマトグラフィー
  2.7.2 薄層クロマトグラフィー
  2.7.3 ガスクロマトグラフィー
  2.7.4 各種クロマトグラフィーの適用範囲の概観

3. 一般的な応用
 3.1 化学防災
  3.1.1 危険物水溶液の引火点
  3.1.2 引火点による危険物の分類
  3.1.3 燃焼危険性による分類
  3.1.4 化学データの訂正
 3.2 界面化学
  3.2.1 界面活性剤のHLB
  3.2.2 化粧品への応用
  3.2.3 防腐剤の性状と効力
  3.2.4 合成潤滑油
  3.2.5 その他
 3.3 環境化学
  3.3.1 難分解・濃縮性化合物
  3.3.2 ヒトの癌原化合物
  3.3.3 有機水銀化合物
  3.3.4 水道水の悪臭物質
  3.3.5 排水処理の化学技術
  3.3.6 有害化合物の分布範囲
  3.3.7 環境ホルモンが化学と化学工業の将来に及ぼす影響
 3.4 食品化学
  3.4.1 三大栄養素
  3.4.2 ビタミン
  3.4.3 食品添加物
 3.5 染料および染色
  3.5.1 合成繊維用染料
  3.5.2 有機概念図による染色理論
  3.5.3 ポリアクリロニトリルの染色
  3.5.4 ポリプロピレン繊維の染色
  3.5.5 染色のその他の諸問題
  3.5.6 染料の昇華性
  3.5.7 その他
 3.6 農 薬
  3.6.1 農薬と界面活性剤
  3.6.2 農薬の概念図上の分布と意義
  3.6.3 現在の農薬の分布
  3.6.4 魚への毒性
  3.6.5 農薬による皮膚炎の原因物質
 3.7 医薬品
  3.7.1 化合物の麻酔性と殺菌力
  3.7.2 サルファ剤
  3.7.3 3つの生理作用圏
  3.7.4 抗結核薬
  3.7.5 制癌剤
  3.7.6 医薬品の薬理作用別分布図
  3.7.7 ビタミンとホルモンの関係
  3.7.8 医薬品の製剤化への応用
 3.8 その他の利用

4. パソコンによる有機概念図作成
 4.1 パソコンによる有機概念図のあゆみ
 4.2 「パソコン有機概念図」から「Excel用有機概念図計算シート」へ
 4.3 「Excel用有機概念図計算シート」の利用例(環境ホルモンを例に)

5. 有機概念図の発展経過
 5.1 創案のいきさつなど
 5.2 名称の変遷
 5.3 図内溶の発展
 5.4 無機性・有機性値の拡充
 5.5 多の拡充提案と今回の改良
 5.6 第3の軸について
 5.7 有機概念図の発展世代

6. 有機概念図の原理について
 6.1 トルートーンの規則との関係
 6.2 対応状態の原理と関係
 6.3 加成性の認められる諸量
 6.4 有機概念図溶解パラメータ
 6.5 有機概念図の問題点
  6.5.1 液体限界線について
  6.5.2 匂限界線について
  6.5.3 結晶圏について
  6.5.4 生体濃縮性に関連して
 6.6 他の領域で用いられる概念図
  6.6.1 無機元素のイオンポテンシャル
  6.6.2 その他の化学関係概念図
  6.6.3 機械・電気部門の概念図
  6.6.4 登山・探検のための概念図
 6.7 概念図の未来予測
  6.7.1 概念図ばやりの世の中
  6.7.2 藤田の警告
 6.8 概念とは

付録
 1 石炭・石油の起源
 2 九州産業技術連盟講演
 3 有機概念図を説明した書籍・雑誌一覧
 4 藤田 穆先生業績目録
 5 藤田 穆先生略歴

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更新: 2024年11月20日
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