植物生理学-分子から個体へ
978-4-7827-0469-1 C3045
/2003年10月刊行
北海道大学名誉教授 幸田泰則・東京農業大学教授 桃木芳枝 編著
名古屋大学教授 三宅 博・龍谷大学教授 大門弘幸 共著
B5・並製・232頁/定価 2,860円(本体2,600円)
遺伝子レベルの基礎から植物の生理の全体像までを捉え,理解できるよう構成。農学,生物工学,バイオサイエンス学科等で幅広く利用でき,初めて植物生理学を学ぶ学生を対象とした基礎的なテキスト。
目次
1 植物の細胞構造
1.1 生体膜と膜輸送
1.1.1 生体膜の基本構造
1.1.2 膜輸送
1.1.3 電気化学ポテンシャル
1.1.4 プロトン駆動力
1.1.5 ポンプ
1.1.6 イオンチャンネル
1.1.7 水チャンネル
1.1.8 キャリアー
1.1.9 エンドサイトーシスとエキソサイトーシス
1.2 細胞小器官
1.2.1 ミトコンドリア
1.2.2 葉緑体
1.2.3 小胞体
1.2.4 ゴルジ体
1.2.5 液胞
1.2.6 ミクロボディ(ペルオキシソーム)
1.2.7 細胞骨格
1.2.8 核
1.2.9 リボソーム
1.3 細胞壁
1.4 原形質連絡
1.5 転送細胞
2 植物の形態形成
2.1 ホメオボックス遺伝子
2.2 植物のホメオボックス遺伝子
2.3 胚発生
2.3.1 胚発生に関与する遺伝子
2.4 根の形態形成
2.4.1 根の基本構造と機能
2.4.2 根の組織分化
2.4.3 根の形態形成に関与する遺伝子
2.5 シュートの形態形成
2.5.1 茎頂の構造とシュートの分化
2.5.2 シュート形態形成に関与する遺伝子
2.5.3 葉原基の分化とエクスパンシン
2.6 花の形態形成
2.6.1 ABCモデル
2.7 植物の形態形成の特徴
3 植物の光合成と物質生産
3.1 光エネルギーの吸収と化学エネルギーへの変換
3.1.1 光エネルギーの捕捉
3.1.2 チラコイド膜状の4つの分子複合体
3.1.3 電子伝達系におけるO2,NADPH,ATPの生成
3.2 炭酸同化系の多様系
3.2.1 カルビン経路(還元的ペントースリン酸回路)
3.2.2 Rubiscoの特徴
3.2.3 光呼吸
3.2.4 C3植物とC4植物
3.2.5 ベンケイソウ型有機酸代謝(CAM)植物
3.3 光合成産物の転流
3.4 光合成能力と植物の生産性
4 植物の物質代謝
4.1 糖代謝と呼吸
4.1.1 ショ糖合成
4.1.2 デンプンの構造,合成と分解
4.1.3 ミトコンドリアにおける呼吸代謝
4.1.4 オールターナティブ経路(シアン耐性呼吸)
4.2 脂質代謝
4.2.1 グリセロ脂質と脂肪酸の種類
4.2.2 生体膜を構成するリン脂質と糖脂質
4.2.3 脂肪酸の合成
4.2.4 グリセロ脂質およびトリアシルグリセロールの合成
4.2.5 種子における貯蔵脂質の分解と糖新生
4.3 植物の窒素代謝
4.3.1 窒素吸収
4.3.2 アミノ酸同化とタンパク質合成
4.3.3 養分吸収を制御する要因としての根系構造
4.3.4 マメ科植物における共生窒素固定
4.4 リン酸吸収とリン酸代謝
4.4.1 リン酸の吸収
4.4.2 リン酸からみた光合成
4.4.3 リン酸不足に対する植物の対応
5 植物の成長と植物ホルモン
5.1 植物の一生における植物ホルモン類の役割
5.1.1 種子形成
5.1.2 休眠
5.1.3 発芽と出芽
5.1.4 細胞の分裂
5.1.5 オーキシンの極性移動
5.1.6 細胞の生長
5.1.7 頂芽優勢
5.1.8 屈性
5.1.9 気孔の開閉
5.1.10 茎の肥大生長と貯蔵器官の形成
5.1.11 花芽形成
5.1.12 プログラム細胞死
5.1.13 老化と枯死
5.2 植物ホルモンの生合成経路とその他の役割
5.2.1 オーキシン
5.2.2 ジベレリン
5.2.3 サイトカイニン
5.2.4 アブシジン酸
5.2.5 エチレン
5.2.6 ブラシノステロイド
5.2.7 ジャスモン酸
5.3 植物ホルモンの作用機構
5.3.1 情報の受容と細胞内の情報伝達
5.3.2 転写制御による遺伝子発現制御
5.3.3 タンパク質の機能発現制御
6 二次代謝
6.1 テルペン(テルペノイド,イソプレノイド)
6.2 フェニルプロパノイド
6.3 フラボノイド
6.4 アルカロイド
6.5 クロロフィル
6.6 ファイトアレキシン
6.7 花の色
6.8 その他の二次代謝産物
7 植物の環境ストレス応答と耐性機構
7.1 環境ストレスとシグナル伝達系
7.1.1 セカンドメッセンジャとしての働きをするCa2+
7.1.2 セカンドメッセンジャとしての働きをするリン脂質
7.1.3 MAPキナーゼカスケードと細胞内シグナル伝達
7.1.4 アブシジン酸によるシグナル伝達
7.2 温度ストレス応答と耐性
7.2.1 低温ストレスの応答と耐性
7.2.2 耐凍性
7.2.3 高温ストレスの応答と耐性
7.3 乾燥および塩ストレス応答と耐性メカニズム
7.3.1 乾燥・塩ストレス応答と耐性
7.3.2 乾燥・塩ストレス誘導性遺伝子と発現機構
7.4 光酸素ストレス応答と耐性メカニズム
7.4.1 光酸素ストレスとその応答
7.4.2 光酸素ストレスに応答した遺伝子発現機構
7.5 傷害や感染に対する応答とその耐性メカニズム
7.5.1 傷害応答反応
7.5.2 感染応答
7.6 環境耐性遺伝子の解明と耐性植物作出の必要性
8 遺伝子組換えによる環境ストレス耐性植物の作出法
8.1 アグロバクテリウムに学んだ遺伝子組換え技術
8.1.1 アグロバクテリウムが自ら行う遺伝子組換え現象
8.1.2 アグロバクテリウムを介した植物への遺伝子導入法
8.1.3 選抜用マーカー遺伝子
8.2 遺伝子直接導入法
8.3 形質転換体の導入遺伝子の確認
8.4 遺伝子導入による形質転換植物の作出例
8.4.1 実用化されたもの
8.4.2 環境ストレス耐性植物作出例とそこで用いられた基本的戦略
8.4.3 環境ストレス耐性植物作出の今後の展望
備 考
品切・重版未定
三共出版で購入?