• 献本

糖鎖科学への招待

978-4-7827-0519-3 C3043 /2008年3月刊行
辻 崇一・梶本哲也 共著
B5・並製・2色刷・164頁/定価 3,300円(本体3,000円)
最近,糖鎖の生合成や機能などの研究が進み,それらを利用することに医学,生物学的にも注目されている。本書では動物の真核細胞に特徴的なものをテーマとし,学部・大学院生向けの糖鎖を基本から理解できるよう解説した入門書。
主な内容
  1. 糖鎖を理解するために
  2. 糖鎖の一次構造と高次構造
  3. 糖鎖の構造解析 ―PA化法,核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび質量分析(MS)の利用を中心に―
  4. 糖鎖の生合成
  5. 糖鎖の機能 ―糖鎖の認識から生物学的機能発現までの分子構造を中心に―
  6. 分子レベルでの糖鎖構築法 ―化学的手法,酵素学的手法と分子生物学的手法について―
  7. 糖鎖構築法の応用と将来
目次(詳細)

1 糖鎖を理解するために
 1-1 立体化学の基礎
  1-1-1 有機分子の形
  1-1-2 立体化学の表記法
  1-1-3 立体化学の用語
  1-1-4 立体化学を考える上での注意点
  1-1-5 分子の自由回転により生じる立体化学
 1-2 細胞生物学の基礎
  1-2-1 細胞の解剖学(細胞小器官の解説)
  1-2-2 細胞と外界との関わり方(総論)
  1-2-3 真核細胞の細胞間結合
  1-2-4 真核細胞の細胞 ―マトリックス間結合―

2 糖鎖の一次構造と高次構造
 2-1 糖鎖を構成する単糖と糖鎖の一次構造
  2-1-1 単糖の種類
  2-1-2 単糖の水溶液中での構造
  2-1-3 ピラノースの立体化学 ―立体配置と立体配座―
  2-1-4 オリゴ糖の構造 ―グリコシド結合の形成―
  2-1-5 糖鎖一次構造の表記法
  2-1-6 細胞表層糖鎖の種類
  2-1-7 糖脂質糖鎖の一次構造
  2-1-8 糖タンパク質糖鎖の一次構造
  2-1-9 グリコサミノグリカン糖鎖の一次構造
  2-1-10 糖鎖一次構造の多様性
 2-2 糖鎖の二次構造
  2-2-1 二次構造の表記法
  2-2-2 エキソアノマー効果 ―二次構造を決定するファクター―
  2-2-3 ガングリオシドGD1a糖鎖の二次構造 ―解析例1―
  2-2-4 シアロルイスX糖鎖の二次構造 ―解析例2―
  2-2-5 シアロ糖鎖の二次構造 ―解析例3―
 2-3 糖鎖の三次構造・四次構造
  2-3-1 三次構造・四次構造の定義
  2-3-2 糖鎖の三次構造 ―一次構造は異なるが同じ三次構造を持つ糖鎖―
  2-3-3 糖鎖の四次構造
 2-4 共有結合の形成と解裂により生成する動的高次構造
  2-4-1 分子内共有結合の形成と解裂により生じる構造の変化

3 糖鎖の構造解析
   ―PA化法,核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび質量分析(MS)の利用を中心に―

 3-1 糖鎖の構造解析についての概要
 3-2 PA化法を利用した糖鎖の一次構造の解析
 3-3 核磁気共鳴スペクトルによる構造解析
  3-3-1 1H-NMRによる解析
  3-3-2 13CNMRによる解析:グリコシデーションシフトについて
  3-3-3 二次元スペクトルとの併用による糖鎖の構造解析
 3-4 質量分析:MSスペクトル
  3-4-1 EI-MSスペクトル
  3-4-2 FAB-MSスペクトル

4 糖鎖の生合成
 4-1 細胞内での糖鎖合成―― 一般則
  4-1-1 糖鎖合成の場
  4-1-2 一糖残基一酵素の原則
 4-2 糖転移酵素の特徴
  4-2-1 トポロジー
  4-2-2 糖転移酵素の局在性
  4-2-3 糖転移酵素の持つ特異性について
  4-2-4 一反応多酵素
  4-2-5 糖転移酵素と糖鎖の多様性
 4-3 糖ヌクレオチドとトランスポーター(輸送体)
 4-4 一般則に従って合成される糖鎖
  4-4-1 O-結合型糖鎖(O-Glycan)合成
  4-4-2 糖脂質合成
  4-4-3 N-結合型糖鎖(N-glycan)の末端側
 4-5 一般則の当てはまらない糖鎖合成
  4-5-1 スフィンゴ糖脂質合成の初期階段
  4-5-2 O-Man,O-Glcなどの特殊なO-結合型糖鎖の合成
  4-5-3 N-結合型コア糖鎖の合成

5 糖鎖の機能
   ―糖鎖の認識から生物学的機能発現までの分子構造を中心に―

 5-1 レクチン
  5-1-1 レクチンの分類
  5-1-2 レクチンの機能
 5-2 糖が関与する分子間相互作用(疎水結合,水素結合,キレート結合,およびイオン結合)
 5-3 レクチンによる単糖・糖鎖の結合・認識の分子機構
  5-3-1 レクチンの1つの結合ドメインと単糖・糖鎖との結合(1対1の場合)
  5-3-2 レクチンの結合ドメインがクラスターを形成している場合
 5-4 糖鎖が結合しているタンパク質の構造に与える影響
  5-4-1 糖鎖がタンパク質の構造安定化要因のひとつになる場合
  5-4-2 糖鎖がタンパク質の構造の一部をmimic(模倣)する場合
 5-5 糖鎖のタンパク質間相互作用に及ぼす影響
  5-5-1 糖ペプチドホルモン:ホルモンとレセプターとの相互作用
  5-5-2 FGFレセプター共同因子としてのペパラン硫酸
  5-5-3 N-CAM同士の会合をポリシアル酸が阻害する
  5-5-4 ノッチとO-Glycosylation

6 分子レベルでの糖鎖構築法
   ―化学的手法,酵素学的手法と分子生物学的手法について―

 6-1 還元端末からの化学的合成
  6-1-1 理論的背景とストラテジー
  6-1-2 グリコシルドナーの活性化の強さは何によって決まるか
  6-1-3 グリコシルドナーの構造はグリコシル化にどのような影響を与えるか
  6-1-4 分子内反応と溶媒効果はグリコシル化反応をどのように進歩させたか:化学
 6-2 酵素を利用したグリコシル化
  6-2-1 酵素を利用したグリコシル化の概略
  6-2-2 グリコシダーゼを利用するグリコシル化
  6-2-3 糖転移酵素を利用するグリコシル化
  6-2-4 トランスグリコシダーゼを利用したグリコシル化
 6-3 非還元末端からの化学的合成
 6-4 分子生物学的手法による糖鎖構築?糖鎖遺伝子あるいはcDNAの糖鎖構築への利用
  6-4-1 方法の概要
  6-4-2 注意すべき点

7 糖鎖構築法の応用と将来
 7-1 糖鎖の固相合成
  7-1-1 還元末端側からの合成
  7-1-2 糖ペプチドの固相合成
  7-1-3 非還元末端からの固相合成
  7-1-4 固相合成における改良法
  7-1-5 1ポットでの糖鎖合成法
 7-2 細胞・組織・個体レベルでの糖鎖構築法とその応用
    ―細胞レベルあるいは個体レベルでの糖鎖発現の改変―
  7-2-1 方法の概要
  7-2-2 注意すべき点
 7-3 糖鎖機能の分子変換
  7-3-1 糖鎖ライブラリーの作成
  7-3-2 糖鎖機能を全く別の分子で作る
 7-4 糖鎖科学の今後 ―まとめとして―

参考図書および参考文献
索引
略号

備 考

品切・重版未定

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更新: 2024年7月9日
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