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多核種の溶液および固体NMR

錯体化学会選書4
978-4-7827-0568-1 C3043 /2008年10月刊行
北川 進・水野元博・前川雅彦
京都大学物質-細胞統合システム拠点副拠点長 北川 進
金沢大学大学院教授 水野元博
近畿大学准教授 前川雅彦 [共著]
A5・上製・384頁/定価 4,620円(本体4,200円)
多核種NMRの理論的背景から測定の実際, スペクトルの解析を意図とした各論・応用を充実させた。特に標準試料の典型的スペクトル, その測定条件, 化学シフトの範囲図をすべての核種にわたって盛り込み, 実用的データブックとしても役立つ。

内 容

  • 高分解能多核種NMRから得られる情報
  • 多核種NMR測定の基礎
  • 多核種NMRスペクトルの実際
  • 状態分析へのアプロ一チ
目次

1章 序章
 1-1 多核種NMRとは
 1-2 NMRにおける検出感度

2章 高分解能多核種NMRから得られる情報
 2-1 化学シフト
  2-1-1 化学シフトの表示と基準物質
  2-1-2 化学シフトの理論的背景
   A. プロトン
   B. しゃへい定数への寄与
  2-1-3 よく使われる化学シフトの式-定性的な常磁性項σPの式
   A. 理論式
   B. 実測例
 2-2 スピン-スピン結合定数
  2-2-1 スピン-スピン結合定数の理論的背景
  2-2-2 スピン-スピン結合定数に及ぼす各種効果
   A. 結合の混成
   B. 置換基の電気陰性度
   C. 配位数
   D. 酸化状態
   E. 立体構造
 2-3 緩和時間
  2-3-1 各種の緩和機構
   A. 双極子-双極子緩和
   B. 核四極子緩和
   C. スピン回転緩和
   D. 化学シフトの異方性による緩和
   E. スカラー緩和
 2-4 金属核NMRの特徴
 2-5 非金属核NMRの特徴
 2-6 固体高分解能NMR
  2-6-1 溶液および固体のNMR
  2-6-2 各種相互作用項
   A. 化学シフトの異方性
   B. 双極子相互作用
   C. 核四極子相互作用
  2-6-3 固体高分解能NMRスペクトル
  2-6-4 多核種固体高分解能NMR
   A. I = 1/2 核種の場合
   B. I = 1 核種の場合
   C. 半数スピン (I > 1) の核種

3章 多核種NMR測定の基礎
 3-1 多核種用のNMRスペクトロメーター
  3-1-1 装置
 3-2 試料の調製
  3-2-1 溶液試料の調製
   A. 通常の試料
   B. 低感度核
   C. 信号対雑音比 (signal-to-noise ratio, S/N比)
  3-2-2 固体試料調製
 3-3 測定法
  3-3-1 遷移金属核NMR測定装置
  3-3-2 標準的な測定法
   A. 標準試料の準備
   B. 装置の準備
   C. 標準試料の観測
   D. 問題とする試料の測定
   E. データ処理Ⅰ
   F. データ処理Ⅱ
  3-3-3 緩和時間の測定
   A. T1 (縦緩和時間) の測定
   B. T1測定のための試料調製及び測定上の注意
   C. T2 (横緩和時間) の測定
   D. スピンエコー法によるT2値の測定
   E. スピンエコーの改良法
 3-4 測定上の諸注意
  3-4-1 観測幅
  3-4-2 パルス条件の設定
   A. 90°パルスの見つけ方
   B. パルス条件の諸注意
  3-4-3 データサンプリングのための設定
   A. データポイント (DP)
   B. デッドタイム (DT)
   C. オーバーフロー
  3-4-4 データ処理
   A. ウィンドウ処理とブロードニングファクター
 3-5 多核種測定に特徴的な諸問題
  3-5-1 折り返し
   A. 同種核の場合
   B. 異種核の場合
  3-5-2 極めて幅広いシグナルとうねりの誤認
  3-5-3 シグナルの誤った帰属
  3-5-4 緩和時間の長い核
  3-5-5 化学シフトが非常に大きい核
  3-5-6 低周波数核
 3-6 特殊測定
  3-6-1 感度向上法 (NOE, INEPT法)
  3-6-2 感度向上法 (その他)
  3-6-3 二次元NMR
  3-6-4 アコースティックリンギングの除去
 3-7 固体NMR測定
  3-7-1 マジック角回転 (MAS) を用いた測定
   A. マジック角の調整
   B. 温度補正
  3-7-2 四極子エコー法
  3-7-3 CPMG法

4章 多核種NMRスペクトルの実際
 4-1 アルカリ金属 (Li, Na, K, Rb, Cs)
  4-1-1 6Li, 7Li (リチウム; lithium)
  4-1-2 23Na (ナトリウム; sodium)
  4-1-3 39K, 40K, 41K (カリウム; potassium)
  4-1-4 85Rb, 87Rb (ルビジウム; rubidium)
  4-1-5 133Cs (セシウム; cesium)
 4-2 アルカリ土類金属 (Be, Mg, Ca, Sr, Ba)
  4-2-1 9Be (ベリリウム; beryllium)
  4-2-2 25Mg (マグネシウム; magnesium)
  4-2-3 43Ca (カルシウム; calcium)
  4-2-4 87Sr (ストロンチウム; strontium)
  4-2-5 135Ba, 137Ba (バリウム; barium)
 4-3 3族および希土類元素 (Sc, Y, Laなど)
  4-3-1 45Sc (スカンジウム; scandium)
  4-3-2 89Y (イットリウム; yttrium)
  4-3-3 138La, 139La (ランタン; lantunum)
  4-3-4 ランタニド (lanthanides)
  4-3-5 アクチノイド (actinides)
 4-4 4族 (Ti, Zr, Hf)
  4-4-1 47Ti, 49Ti (チタン; titanium)
  4-4-2 91Zr (ジルコニウム; zirconium)
  4-4-3 177Hf, 179Hf (ハフニウム; hafnium)
 4-5 5族 (V, Nb, Ta)
  4-5-1 50V, 51V (バナジウム; vanadium)
  4-5-2 93Nb (ニオブ; niobium)
  4-5-3 181Ta (タンタル; tantalum)
 4-6 6族 (Cr, Mo, W)
  4-6-1 53Cr (クロム; chromium)
  4-6-2 95Mo, 97Mo (モリブデン; molybdenum)
  4-6-3 183W (タングステン; tungsten (wolfram) )
 4-7 7族 (Mn, Tc, Re)
  4-7-1 55Mn (マンガン; manganese)
  4-7-2 99Tc (テクネチウム; technetium)
  4-7-3 185Re, 187Re (レニウム; rhenium)
 4-8 8族 (Fe, Ru, Os)
  4-8-1 57Fe (鉄; iron (ferrum) )
  4-8-2 99Ru, 101Ru (ルテニウム; ruthenium)
  4-8-3 187Os, 189Os (オスミウム; osmium)
 4-9 9族 (Co, Rh, Ir)
  4-9-1 59Co (コバルト; cobalt)
  4-9-2 103Rh (ロジウム; rhodium)
  4-9-3 191Ir, 193Ir (イリジウム; iridium)
 4-10 10族 (Ni, Pd, Pt)
  4-10-1 61Ni (ニッケル; nickel)
  4-10-2 105Pd (パラジウム; palladium)
  4-10-3 195Pt (白金; platinum)
 4-11 11族 (Cu, Ag, Au)
  4-11-1 63Cu, 65Cu (銅; copper)
  4-11-2 107Ag, 109Ag (銀; silver (atgentum) )
  4-11-3 197Au (金; gold (aurum) )
 4-12 12族 (Zn, Cd, Hg)
  4-12-1 67Zn (亜鉛; zinc)
  4-12-2 111Cd, 113Cd (カドミウム; cadmium)
  4-12-3 199Hg, 201Hg (水銀; mercury)
 4-13 13族 (B, Al, Ga, In, Tl)
  4-13-1 10B, 11B (ホウ素; boron)
  4-13-2 ²⁷Al (アルミニウム; aluminium)
  4-13-3 69Ga, 71Ga (ガリウム; gallium)
  4-13-4 113In, 115In (インジウム; indium)
  4-13-5 203Tl, 205Tl (タリウム; thallium)
 4-14 14族 (C, Si, Ge, Sn, Pb)
  4-14-1 29Si (ケイ素; silicon)
  4-14-2 73Ge (ゲルマニウム; germanium)
  4-14-3 115Sn, 117Sn, 119Sn (スズ; tin (stannum) )
  4-14-4 207Pb (鉛; lead (plumbum) )
 4-15 15族 (N, P, As, Sb, Bi)
  4-15-1 14N, 15N (窒素; nitrogen)
  4-15-2 31P (リン; phosphorus)
  4-15-3 75As (ヒ素; arsenic)
  4-15-4 121Sb, 123Sb (アンチモン; antimony)
  4-15-5 209Bi (ビスマス; bismuth)
 4-16 16族 (O, S, Se, Te)
  4-16-1 17O (酸素; oxygen)
  4-16-2 33S (硫黄; sulfur)
  4-16-3 77Se (セレン; selenium)
  4-16-4 123Te, 125Te (テルル; tellurium)
 4-17 17族 (F, Cl, Br, I)
  4-17-1 19F (フッ素; fluorine)
  4-17-2 35Cl, 37Cl (塩素; chlorine)
  4-17-3 79Br, 81Br (臭素; bromine)
  4-17-4 127I (ヨウ素; iodine)

5章 状態分析へのアプロ一チ
 5-1 溶液化学
  5-1-1 溶媒パラメータ
  5-1-2 アルカリ金属の溶媒和イオン
  5-1-3 金属核NMR化学シフトと溶媒効果
  5-1-4 金属核NMR化学シフトと濃度効果
 5-2 錯体化学
  5-2-1 錯形成反応の研究
   A. クラウンエーテル錯体の錯形成反応
   B. アルカリ金属クリプテートの錯形成反応
  5-2-2 溶液平衡の研究
  5-2-3 金属-配位子結合の研究
  5-2-4 錯体構造の研究
  5-2-5 重水素NMRによる錯体の動的構造の研究
   A. [MII(H2O)6][SiF6]型結晶の分子ダイナミクス
   B. 多孔性金属錯体のダイナミクス
 5-3 金属タンパク質
 5-4 有機金属
 5-5 金属クラスターおよび多核錯体
  5-5-1 金属-金属結合を調べる。金属核間のスピン-スピン結合定数の観測
  5-5-2 金属クラスターの化学シフト
  5-5-3 金属クラスターのダイナミックス
  5-5-4 多核錯体の構造を決める
 5-6 高分子
 5-7 材料・新素材
  5-7-1 半導体
  5-7-2 高温超伝導物質
  5-7-3 水素吸蔵金属
 5-8 ゼオライト
 5-9 医薬品
  5-9-1 トレーサーとしての安定同位元素の利用
 5-10 医学
  5-10-1 31P NMR
  5-10-2 画像診断

付録
 1 核の物理定数
 2 溶媒の各種性質および1H, 13C NMRシフト
 3 固体NMRの手法: マジック角回転
 4 固体NMRの手法: 交差分極

記号表
配位子・溶媒略号表

備 考

「錯体化学会選書」 シリーズ一覧
1 生物無機化学
2 金属錯体の光化学
3 金属錯体の現代物性化学
4 多核種の溶液および固体NMR
5 超分子金属錯体
6 有機金属化学(第2版)
7 金属錯体の機器分析(
8 錯体の溶液化学
9 金属錯体の電子移動と電気化学
10 金属錯体の量子・計算化学

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更新: 2024年10月31日
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