• 献本

これならわかる生物有機化学

978-4-7827-0632-9 C3043 / 2010年11月刊行
太田博道(長崎県立大学・名誉教授) 著
B5・並製・2色刷・144頁/ 定価 2,640円( 本体 2,400円)
主に生物系・有機化学系の学生を対象とした「生物有機化学」のテキスト。本書は有機化学を学んだ学生を対象としているが,生命反応の理解に必要不可欠な有機反応論の基礎を冒頭に配し,有機反応の知識を持たない学生も学べるよう編集。「生命の機能がいま知られているような化合物を活用していることの必然性」を理解することを主眼に執筆した。
主な内容
  1. 有機反応論の基礎
  2. 糖の化学
  3. アミノ酸とタンパク質
  4. 酵素の働き
  5. 核酸 ヌクレオシド ヌクレオチド
  6. 脂質
  7. 生理活性天然物
  8. 解糖系の有機電子論
  9. TCAサイクルの有機電子論
目次(詳細)


 (1) 生物有機化学とは
 (2) 化学反応とは
1 有機反応論の基礎
 1.1 化学反応が起こる要件と電子の偏り
  1.1.1 誘起効果(I効果)
  1.1.2 共鳴効果(M効果)
  1.1.3 脱離能
  1.1.4 立体的嵩高さ
  1.1.5 結合角の歪み
  1.1.6 立体配座
  1.1.7 立体配置
 1.2 生体にとって重要な有機化学反応
  1.2.1 カルボニル化合物と求核反応剤・塩基の反応
  1.2.2 アルドール反応・レトロアルドール反応
  1.2.3 マイケル付加反応・レトロマイケル反応
  1.2.4 ケト-エノール互変異性
  1.2.5 β-ケトエステル・β-ケトカルボン酸の反応
  1.2.6 アルデヒドの水和・アセタールの生成
  1.2.7 ベンゾイン縮合
  1.2.8 イオウという元素の特徴
2 糖の化学
 2.1 糖の構造
  2.1.1 アセタール構造
  2.1.2 ピラノース・フラノース・α-とβ-配置
  2.1.3 単糖と多糖
  2.1.4 複合糖
 2.2 糖の生合成
 2.3 エネルギー源としての糖
  2.3.1 糖の貯蔵
  2.3.2 糖の代謝
 2.4 細胞構成成分としての糖
 2.5 DNA,RNAの構成成分としての糖
 2.6 細胞認識のシグナルとしての糖
  2.6.1 グリコシル化反応
  2.6.2 細胞膜の構造
  2.6.3 血液型
3 アミノ酸とタンパク質
 3.1 アミノ酸の構造と性質
  3.1.1 一般式
  3.1.2 溶液中の構造と等電点
 3.2 ペプチド結合の生成と性質
  3.2.1 ペプチド結合の生成
  3.2.2 エステル結合とアミド結合――カルボン酸誘導体の反応性
 3.3 タンパク質の構造
  3.3.1 タンパク質の一次構造から四次構造
  3.3.2 タンパク質の変性
 3.4 タンパク質の構造を保つ化学的結合力
  3.4.1 結合力の種類と強さ
  3.4.2 水素結合
 3.5 タンパク質の働き
  3.5.1 構造タンパク質
  3.5.2 機能性タンパク質
4 酵素の働き
 4.1 酵素の分類
 4.2 酵素反応の動力学
  4.2.1 酵素反応速度式
  4.2.2 酵素の反応加速能
 4.3 酵素反応の制御
  4.3.1 可逆的阻害と非可逆的阻害
  4.3.2 フィードバック阻害とフィードバック制御
  4.3.3 医薬品としての酵素阻害剤
 4.4 酵素反応に影響する様々な要素
 4.5 補酵素
5 核酸 ヌクレオシド ヌクレオチド
 5.1 DNAとRNAの構造
  5.1.1 核酸塩基・ヌクレオシド・ヌクレオチド
  5.1.2 A‐T・G‐Cペアの意味
  5.1.3 二重らせんの生物学的意味
 5.2 セントラルドグマ
  5.2.1 DNAからタンパク質へ
  5.2.2 逆転写酵素
  5.2.3 コドン
  5.2.4 転写のコントロール
 5.3 核酸類似物質の生理活性
6 脂質
 6.1 脂質の分類と構造
  6.1.1 けん化性脂質と不けん化性脂質
  6.1.2 様々な脂質とその構造
 6.2 脂質の生合成
 6.3 脂肪酸の代謝反応
7 生理活性天然物
 7.1 テルペン
  7.1.1 テルペンとは
  7.1.2 イソプレンの生合成
  7.1.3 テルペン類の作用
 7.2 ステロイド
  7.2.1 ステロイドの生合成
  7.2.2 性ホルモンと内分泌かく乱物質
 7.3 アルカロイド
  7.3.1 チロシン由来のアルカロイド
  7.3.2 リジンあるいはオルニチン由来のアルカロイド
  7.3.3 トリプトファン由来のアルカロイド
 7.4 ポリケチド
  7.4.1 ポリケチドの生合成
  7.4.2 ポリケチドの炭素骨格の変換
 7.5 ホルモンとフェロモン
  7.5.1 動物ホルモン
  7.5.2 植物ホルモン
  7.5.3 フェロモン
 7.6 ビタミン
8 解糖系の有機電子論
 8.1 解糖系とは
 8.2 グルコースからフルクトースへの異性化
 8.3 フルクトースからC3化合物へ
 8.4 グリセルアルデヒド-3-リン酸からピルビン酸へ
 8.5 ピルビン酸の脱炭酸反応
 8.6 解糖系の生理学的意義
9 TCAサイクルの有機電子論
 9.1 TCAサイクルとは
 9.2 TCAサイクルの化学的意味
  9.2.1 クエン酸の生成
  9.2.2 クエン酸からイソクエン酸への異性化
  9.2.3 イソクエン酸の酸化的脱炭酸
  9.2.4 α-ケトグルタル酸の脱炭酸
  9.2.5 フマル酸の反応・リンゴ酸への変換とアスパラギン酸の生成
 9.3 グリオキシル酸サイクル
 9.4 TCAサイクルの生理学的意味
  9.4.1 エネルギーの獲得
  9.4.2 アミノ酸の生合成
  9.4.3 アミノ基転移反応
付録 立体配置の表示法
索引

備 考

2023年10月、重版3刷。

三共出版で購入?

部数:

更新: 2025年12月3日
シェア: facebookでシェア はてなブックマークに追加 LINEでシェア noteで書く X(Twitter)にポスト メールで送る このページを印刷する シェアする