• 献本

反応から学ぼう有機化学の基礎

978-4-7827-0630-5 C3043 /2010年11月刊行
近畿大学教授 柏村成史 編著
近畿大学准教授 山際由朗・近畿大学准教授 末永勇作・近畿大学准教授 佐賀佳央・近畿大学 松本浩一 共著
B5・並製・174頁/定価 2,750円(本体2,500円)
これまで多くの教科書は,有機反応を物質の構造変化に基づく分類と,反応機構に基づく分類が混在し,非常に複雑であった。
本書は,すべての有機反応を反応の観点から系統的に分類・統一し,限られた数の反応形式をマスターすれば有機反応を理解できる構成とした。
速やかに有機反応を学習できるよう,1章では最小限の基礎知識を記し,2章で有機反応の分類,3~12章で各反応の解説,13章でより深い基礎知識を記し,14~15章で高分子と生体分子の基礎を解説した。
目次

1章 有機化学反応を理解するための基礎知識
 1.1 有機化合物の結合
 1.2 反応に関与する結合
 1.3 活性種および活性中間体
 1.4 立体化学
 1.5 反応の表示

2章 有機化学反応の分類
 2.1 有機化学反応の分類の概要
 2.2 イオン反応
 2.3 ラジカル反応
 2.4 協奏反応

3章 求核置換反応
 3.1 求核置換反応の概要
 3.2 二分子求核置換反応
 3.3 一分子求核置換反応
 3.4 SN1,SN2反応の比較
 3.5 各種求核置換反応
  3.5.1 酸素原子が関与する求核置換反応
  3.5.2 窒素原子が関与する求核置換反応
  3.5.3 硫黄原子が関与する求核置換反応
  3.5.4 炭素求核剤による求核置換反応
  3.5.5 ハロゲン化物イオンによる求核置換反応
  3.5.6 ヒドリドによる求核置換反応
  3.5.7 芳香族ハロゲン化物でも求核置換反応は進むか
 演習問題

4章 脱離反応
 4.1 脱離反応の概要
 4.2 各種脱離反応
  4.2.1 1,2-脱離反応
  4.2.2 1,2-脱離反応の立体化学
  4.2.3 1,1-脱離反応
  4.2.4 1,n-脱離反応
 演習問題

5章 求核付加反応
 5.1 求核付加反応の概要
 5.2 カルボニル基への求核付加反応
  5.2.1 炭素求核剤による求核付加反応
  5.2.2 へテロ原子求核剤による求核付加反応
  5.2.3 ヒドリドアニオン求核剤による求核付加反応
  5.2.4 電子求核剤による求核付加反応
 5.3 α,β-不飽和カルボニル化合物への求核付加反応
  5.3.1 炭素求核剤による求核付加反応
  5.3.2 へテロ原子求核剤による求核付加反応
 演習問題

6章 求核付加脱離反応
 6.1 求核付加脱離の概要
 6.2 基質側に脱離基Lが存在するときの求核付加脱離反応
  6.2.1 基質の二重結合が炭素-酸素二重結合であるときの求核付加脱離反応
  6.2.2 基質の二重結合が炭素-炭素二重結合であるときの求核付加脱離反応
 6.3 反応試剤側に脱離基Lが存在するときの求核付加脱離反応
  6.3.1 コハク酸ジエステルによるケトンへの求核付加脱離反応
  6.3.2 ハロ酢酸エステルによるケトンへの求核付加脱離反応
  6.3.3 硫黄イリドによるケトンへの求核付加脱離反応
  6.3.4 α-ハロエステルによるα,β-不飽和エステルへの求核付加脱離反応
 演習問題

7章 求電子付加反応
 7.1 求電子付加反応の概要
 7.2 Markovnikov(マルコフニコフ)則
 7.3 共役二重結合に対する求電子剤の付加
 7.4 ヒドロホウ素化反応
 7.5 二重結合に対する過酸化物の求電子付加反応
 7.6 金属酸化物による二重結合の酸化反応
 7.7 二重結合のオゾン酸化反応
 7.8 三重結合に対する酸素の求電子付加反応
 演習問題

8章 求電子付加脱離反応
 8.1 求電子付加脱離反応の概要
 8.2 芳香族化合物の求電子付加脱離反応
 8.3 芳香族化合物の求電子付加脱離反応の配向性
 8.4 Friedel-Crafts(フリーデル-クラフト)反応
 8.5 多環式芳香族化合物の求電子付加脱離反応
 8.6 複素環化合物の求電子付加脱離反応
 演習問題

9章 転位反応
 9.1 転位反応の概要
 9.2 電子不足活性種の関与する転位反応
  9.2.1 炭素カチオンの関与する転位反応
  9.2.2 電子不足窒素原子活性種の関与する転位反応
  9.2.3 電子不足酸素原子活性種の関与する転位反応
 9.3 アニオンの関与する転位反応
  9.3.1 Favorsky(ファブロスキー)転位
  9.3.2 Stevens(スティブンス)転位
  9.3.3 Wittig(ウイティヒ)転位
 演習問題

10章 ラジカル反応
 10.1 ラジカル反応の概要
 10.2 ラジカルの生成
 10.3 ラジカルの反応
  10.3.1 ラジカルの水素引き抜き反応
  10.3.2 ラジカルの付加反応
  10.3.3 ラジカルの二量化反応
 10.4 ラジカルの関与する転位反応
 演習問題

11章 協奏反応
 11.1 協奏反応の概要
 11.2 Deils-Alder(ディールス-アルダー)反応
 11.3 Electrocyclic Reaction(エレクトロサイクリック反応)
 11.4 協奏反応における転位反応
  11.4.1 Cope(コープ)転位
  11.4.2 Claisen(クライゼン)転位
 11.5 水素添加反応
 演習問題

12章 反応の有機合成への応用
 12.1 有機合成への応用の概要
 12.2 逆合成法(Retrosynthesis)の考え方
 12.3 直線的合成法(Linear Strategy)と収斂的合成法(Convergent Strategy)
 12.4 有機合成への応用の実例
  12.4.1 青葉アルコール(Leaf Alcohol)の合成
  12.4.2 シスジャスモン(cis-Jasmone)の合成
  12.4.3 α-テルピネオール(α-Terpineol)の合成

13章 基礎知識
 13.1 電気陰性度
 13.2 イオン結合と共有結合
 13.3 Lewis(ルイス)構造式
 13.4 電子供与性置換基と電子求引性置換基
  13.4.1 誘起効果(Inductive Effect)
  13.4.2 共鳴効果(Resonance Effect)
 13.5 電子の非局在化,共鳴混成体,極限構造式
 13.6 電子の非局在化と共鳴安定化エネルギー
 13.7 電子の非局在化とカチオンおよびアニオンの安定性
 13.8 ルイス酸,ルイス塩基
 13.9 異性体
  13.9.1 構造異性体
  13.9.2 立体異性体
  13.9.3 鏡像異性体
 13.10 施光性と施光度
 13.11 R,S-表示
 13.12 ジアステレオマーとメソ体
 13.13 不斉炭素をもつ化合物の表示法
  13.13.1 Fischer(フィッシャー)の投影式
  13.13.2 トレオ(threo)-エリトロ(erythro)表示法
  13.13.3 Newman(ニューマン)投影図
 13.14 s軌道,p軌道と混成軌道
  13.14.1 s軌道とp軌道
  13.14.2 混成軌道
 13.15 σ結合とπ結合
 13.16 最高被占軌道と最低空軌道
 13.17 ラジカル開始剤
 13.18 超共役
 13.19 酸解離定数Kaと酸解離指数pKa

14章 高分子化学の基礎
 14.1 高分子合成
 14.2 連鎖重合
  14.2.1 ラジカル重合
  14.2.2 ラジカル共重合
  14.2.3 アニオン重合
  14.2.4 配位アニオン重合
  14.2.5 カチオン重合
  14.2.6 開環重合
 14.3 逐次重合
  14.3.1 縮合重合
  14.3.2 付加重合

15章 生体有機分子の基礎化学
 15.1 生体有機分子の概要
 15.2 アミノ酸の基本構造
 15.3 アミノ酸側鎖の構造と性質
 15.4 ペプチド
 15.5 ヌクレオチドの基本構造
 15.6 核酸塩基
 15.7 核酸の構造と機能

演習問題解答
索引

備 考

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更新: 2024年8月8日
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