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金属錯体の機器分析 (下)

錯体化学会選書7
978-4-7827-0640-4 C3043 /2012年4月刊行
大塩寛紀 編著
筑波大学大学院教授 大塩寛紀 [編著]
大場正昭・菊地晶裕・菊地和也・倉田博基・黒田孝義 武田 定・中野元裕・速水真也・美藤正樹・山口健太郎 横山利彦・吉本惣一郎 [共著]
A5・上製・412頁 4月2日刊行/定価 5,280円(本体4,800円)
本書では単に測定法の解説にとどまらず, 測定データを正しく解釈し必要な情報を取り出せるよう, 測定法の原理とそれを理解するための基礎理論までわかりやすく解説。ほぼ全ての分析機器を網羅しており, 錯体化学をこれから学ぼうとする大学院生や研究者に最適である。

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内 容

  • 磁気測定
  • ESRスペクトル
  • 固体NMR
  • メスバウアー分光法
  • X線吸収スペクトル
  • 表面分析
  • AFM/STM
  • 電子顕微鏡
  • リン光・蛍光スペクトル
  • 質量スペクトル
  • 光電子分光
目次

8章 磁気測定
 はじめに
 8-1 静磁気測定 (DC測定)
  8-1-1 力学的方法
  8-1-2 電磁誘導法
  8-1-3 SQUID法
  8-1-4 市販装置の活用
 8-2 金属錯体の磁性
  8-2-1 磁気的相互作用
  8-2-2 スピン-軌道相互作用
  8-2-3 ゼロ磁場分裂
  8-2-4 磁化曲線
  8-2-5 分子場近似
  8-2-6 磁性体
  8-2-7 磁気転移温度Tcの決定
  8-2-8 無限系の理論式
 8-3 交流磁気測定
  8-3-1 交流磁化率の定義
  8-3-2 複素磁化率と線形応答性
  8-3-3 磁気緩和現象と複素磁化率
  8-3-4 Hartshorn型ブリッジを用いた測定方法 ~オーソドックスなAC測定方法~
  8-3-5 市販装置の活用
  8-3-6 特殊な磁気測定

9章 ESRスペクトル
 はじめに
 9-1 ESRの原理
  9-1-1 ゼーマン効果と選択則
  9-1-2 水素原子のESR
  9-1-3 許容遷移と禁制遷移
 9-2 装置の構成と試料準備
  9-2-1 ESR装置
  9-2-2 溶液試料
  9-2-3 固体試料
  9-2-4 ラジカル種の発生方法
  9-2-5 検出感度
  9-2-6 スペクトルパラメータの評価
 9-3 結果の解析
  9-3-1 スピンハミルトニアン
  9-3-2 gテンソル
  9-3-3 超微細相互作用テンソル
  9-3-4 Dテンソル (微細分裂テンソル)
  9-3-5 スピン-軌道相互作用の超微細結合定数への影響
  9-3-6 不対電子密度の評価
 9-4 解析例
  9-4-1 バナジウム錯体
  9-4-2 銅錯体
  9-4-3 ロジウム2核錯体 [Rh2(O2CMe)4L2]+
 9-5 高磁場ESR
  9-5-1 いくつかの測定例

10章 固体NMR
 はじめに
 10-1 磁場中の核スピン: 量子論的見方と古典的見方
 10-2 高周波パルスによる磁気モーメントおよび核磁化の操作とNMR信号
 10-3 核磁気双極子相互作用と核間距離および固体中の分子運動の検出
 10-4 マジック角回転
 10-5 ハイパワーデカップリング
 10-6 化学シフトとその異方性
 10-7 交差分極とCP MAS-NMR
 10-8 核四極子相互作用と重水素核NMRによる分子運動の解析
 10-9 磁性固体の固体高分解能NMR: 核スピンと電子スピンの相互作用

11章 メスバウアー分光法
 はじめに
 11-1 原理
 11-2 メスバウアー分光法の条件
 11-3 メスバウアースペクトルの測定法
  11-3-1 測定装置
  11-3-2 試料調製
  11-3-3 メスバウアースペクトルの温度変化
  11-3-4 メスバウアースペクトルの解析法
 11-4 メスバウアー分光法で得られるパラメータ
  11-4-1 異性体シフト
  11-4-2 四極子相互作用
  11-4-3 磁気的相互作用
  11-4-4 時間と温度に依存した効果
 11-5 いくつかの問題点
 11-6 内部転換電子メスバウアー分光法 Conversion electron Mossbauer spectroscopy (CEMS)
 11-7 構造化学的な利用
  11-7-1 I2Br2Cl4
  11-7-2 キセノンの塩化物と臭化物
  11-7-3 マリックス中における鉄原子と化合物
 11-8 動的電子状態を有する金属錯体のメスバウアースペクトル
  11-8-1 スピンクロスオーバー鉄錯体
  11-8-2 光誘起スピン転移鉄(II)錯体
  11-8-3 混合原子価鉄錯体
  11-8-4 磁場下でのメスバウアースペクトル
  11-8-5 シンクロトロンでのメスバウアースペクトル

12章 X線吸収スペクトル
 はじめに
 12-1 XASスペクトルの原理
  12-1-1 原理
  12-1-2 金属錯体のXAS測定
  12-1-3 放射光施設の利用
  12-1-4 XANES
  12-1-5 EXAFS
  12-1-6 EXFASの得意・不得意
 12-2 XASスペクトルの測定
  12-2-1 透過法
  12-2-2 透過法以外の手法
 12-3 XASスペクトルの解析
  12-3-1 データの準備
  12-3-2 XANES解析
  12-3-3 EXAFS解析
 12-4 XASの応用例と展望
  12-4-1 状態選別XAS
  12-4-2 マイクロXAS
  12-4-3 時間分解XAS

13章 表面分析 AFM/STM
 はじめに
 13-1 測定原理
 13-2 測定の準備
  13-2-1 サンプルの作製
  13-2-2 プローブの作製
  13-2-3 電気化学STMセルおよび溶液の準備
 13-3 スキャナの補正
 13-4 測定例とその解析
  13-4-1 硫酸中での観察
  13-4-2 フタロシアニン単分子膜の観察
  13-4-3 ポルフィリン・フタロシアニン混合膜の表面構造制御
  13-4-4 触媒界面の観察
  13-4-5 積層界面の観察
 13-5 おわりに

14章 電子顕微鏡
 はじめに
 14-1 透過電子顕微鏡の構成と原理
 14-2 電子回折の特徴
  14-2-1 単原子による電子の弾性散乱
  14-2-2 一次元原子列による電子回折
  14-2-3 結晶による電子回折
  14-2-4 電子回折の幾何学
  14-2-5 ナノビーム回折
 14-3 透過電子顕微鏡像の結像とコントラスト
  14-3-1 回折コントラスト
  14-3-2 格子像
  14-3-3 レンズ伝達関数
  14-3-4 結晶構造像
  14-3-5 高分解能観察の実際
 14-4 走査型透過電子顕微鏡 (STEM)
  14-4-1 STEMの結像原理
  14-4-2 HAADF像の結像原理と特徴
 14-5 おわりに

15章 リン光・蛍光スペクトル
 はじめに
 15-1 蛍光とリン光
 15-2 励起状態の失活過程
 15-3 Stern-Volmer式
 15-4 金属錯体の励起光照射後の緩和過程例とスペクトルから得られる情報
 15-5 蛍光分光光度計の構造と得られる情報
  15-5-1 光源
  15-5-2 分光器
  15-5-3 試料室
  15-5-4 検出器
 15-6 バイオイメージングの発展
 15-7 Ca2+蛍光プローブの開発
 15-8 レシオ蛍光測定システムの開発
 15-9 蛍光波長を変化させる原理RET
 15-10 GFPを用いたCa2+イメージング用RETプローブ (Cameleon)
 15-11 Zn2+蛍光プローブ

16章 質量スペクトル
 はじめに
 16-1 質量分析の基礎
  16-1-1 イオン化法
  16-1-2 イオン分析法
  16-1-3 MSスペクトル解析
 16-2 錯体の質量分析
  16-2-1 装置
  16-2-2 測定
  16-2-3 解析
 16-3 錯体質量分析の実際
  16-3-1 希土類錯体のタンデムMS
  16-3-2 カプセル型錯体
  16-3-3 超分子ポリマー
 16-4 おわりに

17章 光電子分光
 はじめに
 17-1 光電子分光の原理
  17-1-1 3ステップモデルの概要
  17-1-2 光吸収による電子励起過程
  17-1-3 非弾性散乱と電子の脱出深度
  17-1-4 電子の真空中への放出と運動量の保存
  17-1-5 検出器における運動エネルギー
  17-1-6 実測データの見方とAuger電子
  17-1-7 スピン軌道相互作用分裂
  17-1-8 化学シフト
  17-1-9 サテライト
 17-2 光電子分光の測定法
  17-2-1 光源
  17-2-2 光電子のエネルギー分析装置
 17-3 光電子分光の応用例
  17-3-1 価数相転移
  17-3-2 一次元鎖遷移金属錯体
  17-3-3 金属フタロシアニン薄膜

備 考

図書館などの学術機関向けサービス「Maruzen eBook Library (MeL)」に電子書籍がございます。機関のご担当者様は Knowledge Worker よりご購入が可能です。

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部数:

更新: 2022年11月22日
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